株式会社A建築 社債発行したケース

創業者のA会長さんは、高齢で80歳。代表取締役は息子のAさんが承継しています。業種は建築業。 地場・地域密着型で、家の建て替えや新築戸建の建築を得意としています。 最近では大手のハウジングメーカーさんによる建てかえや新築が多くなってきました。大手メーカーでは図面や積算などがあらかじめ細かく仕様が決まっており、家を建てたい方がいればできるだけ早くスピーディーに安心なものを建てることができます。 株式会社A建築さんのような、もともと大工職人が主に得意とする注文住宅建築はお客さんの要望を聞き入れて細かい注文を聞き入れながら、細かく仕様書を作成してオーダーメイド建築を行います。 家を建てたい、建てかえたいお客さんと何度も何度も打ち合わせを重ねて、オンリーワンの家が出来上がる喜びや、完成時の満足は格別のものがあります。 完成後の、ちょっとした不具合などに気軽にメンテナンスに応じる対応の良さが大手ハウジングメーカにはない、安心感なのかもしれません。

背景

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しかし、建築会社としては頭の痛い点があります。


営業から受注、そして完了までの期間がどうしても長くなる傾向がありますので、その分資金繰りはたいへんです。要するに、集金するまでの時間がかかってしまうのです。

株式会社A建築では売上の規模では大手メーカーにかなわないのは一目瞭然。地域に密着している利点を生かし、戸建分譲に適したまとまった土地があったので土地の売買も含めて仕入れを行うことで立てて売るのみではなく土地を仕入れて利益率(収益力)の拡大を図っていく経営方針を打ち立てます。


幸い土地の仕入れ資金は地元の金融機関が長年の実績から、スムーズに融資に応じてくれました。

但し、土地の状態のままである一定期間販売活動を行うため営業活動費(広告費用・人件費用)受注直後に一部着手金は頂戴するものの、オーダーメイドの為こだわった建築資材の仕入れにはどうしても手元の現金が必要となります。いわゆる『運転資金』の需要です。この運転資金については、政府系の金融機関での借り換えなどで対応しようと考えていました。

そこで資金繰りのシュミレーションをしてみますと、金融機関からの借り入れでは、借入した再来月には、毎月元利金均等分割の返済が生じます。


予定通りに『注文土地付き戸建て住宅』が販売できれば返済に困ることはありませんが、もし予定通りに進まないとなると利益率(収益力)拡大どころか、金融機関への返済に困る場面が予想されます。

そこで、この分譲地の販売完了時期を、3年後と想定。2年後に万が一土地(更地)のまま万が一にも売れ残りが生じてしまったとしても、それから1年間をかけて土地のみで販売する計画を立てます。

その間の運転資金の返済については、3年後の一括弁済または返済できるのであれば前倒し返済ができる借入の方法はないものかと、検討を始めます。

希望

そこで出会ったのが、少人数私募債発行による資金調達方法です。

株式会社A建築の社長であるAさんが知人に相談したところ、ソーシャルファイナンスサービス株式会社が少人数私募債発行コーディネイトを行っていることを知りました。そこで、ソーシャルファイナンスサービス社と相談を重ね、ソーシャルファイナンスサービス社をコーディネイターとするパートナー契約を締結して私募債の発行に着手しました。


私募債発行金額 3,000万
社債の利率 5%
償還期間 3年
資金使途 運転資金
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A社長は、地元の経営者が集まる朝の勉強会や子供の部活動を通じて地元との知人など人脈が豊富な明るい社長さんです。


当初は私募債の引き受けをしてくれる企業があるのか、果たしてそんな資金調達ができるのか、とても疑問や不安がありました。


しかし、土地の仕入れに関しては金融機関での融資を受けて金融機関が担保評価しているほぼ同額で2年後に売れ残っても販売してしまえばリスク対応は可能です。運転資金に関しては、2年間もし仮にまったく売れなかった場合には資金繰りをかなり圧迫してしまうことは明らかです。


事業展開にはリスクは存在するのですが、コントロールできるリスクは果敢にとっていくが、コントロールできないリスクはとるべきではないと考え、これまで土地の仕入れまで行う事業展開には躊躇してきました。これ以上収益を圧迫する経営を継続していても将来は見込めないこと、そして融資を受けて返済の方法を元利均等分割でなければリスクは回避できることをしっかりと把握した上で、不安はありましたが私募債を発行する決意を固めます。


解決策

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まずソーシャルファイナンスサービスにてA社長の意見を聞きながら、以下の順に行なっていきます。


【1】属性ヒアリングシートの作成

  1. 【2】私募債発行募集概要の作成

  2. 【3】事業計画の作成


まず最初の【1】は、少人数私募債の引き受け予定者をリストアップしていく作業です。兄弟・親戚。そして取引先・販売したお客さんや、経営者仲間など細かくリストアップしていく中で、A社長曰く『人間関係の整理整頓ができたそうです。中には、全く断れる人もいます。


ただし、断る人の理由をよく聞き直して事業計画書を修正するなど、修正を加えていく中でより実現可能性の高い、リアリティ溢れる事業計画が仕上がっていくことが実感できます。


幸い、お父さんである会長の知人で複数口の引き受けに名乗りを挙げていただく仕入れ業者さんから手が上がったのがきっかけで、大きくこの私募債発行は現実味がでてきました。


ひとり、ふたりと、協力者が現れてくると『では私も』と手が上がりだすのが、この少人数私募債。


最後の一人が決まって目標金額に到達したときには、社長と引き受け者とががっちり握手をして事業の成功を改めて固く誓う瞬間です。とっても大切な資金を提供してくれた引き受けしてくれた皆さんへの感謝の恩返しをしようと、更に営業努力を重ねて、事業計画通りに順調に受注が入ってきているそうです。


土地の仕入れ資金融資を提供してくれた金融機関からは、ぜひ次にいい土地の仕入れ案件があれば運転資金部分は金融機関で私募債発行を引き受けする提案を頂戴しているらしく、今後も直接金融である少人数私募債の発行と間接金融である融資とをバランスよく行なっていくことで、リスクを取りながらリスクヘッジも同時に行っていきたいと決意を新たにしているそうです。


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